思考伝聞

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押忍

防犯教室

   先日二十一日(木)、郡山市にある「福島県立聾学校」へ、防犯教室と言う事で行って参りました。幼・小学部は郡山警察署の協力で、そして中・高等部は門馬道場の協力という事で、内容としては幼・小学部は“不審者が侵入、生徒を避難させる”で、中・高等部は“危険に遭遇した時の対処の仕方”という形で進められました。この防犯教室も、今年で二回目と言うことでしたが、耳が聞こえないだけに、校長先生始め、各先生方の子供達を危険から守ろうとする、危機管理の意識の高さには感心させられました。

 当日は、十時半に校長室でお話を伺った後、着替えて準備体操をし、待機していましたが、その間、一抹の不安が頭をよぎりました。と、言うのも・・・。
 この日の課題は、前述した様に“危険に遭遇した時の対処の仕方”・・・いわゆる護身術。しかし、世に護身術なるものは色々ありますが、どれも眉唾物ばかり・・・格技を何年も稽古していても、なかなか使えるものではありません・・・私もお恥ずかしい話、若かりし頃、危険に遭遇した事が何度もありましたが(こう言うとカッコいいが・・・スミマセン、ただの喧嘩です・・)空手の技でバッタバッタと相手を倒した事は殆どありません。喧嘩している最中は、ただ、後悔の念に駆られ、確かに突きや蹴りも出ますが、相手が複数だと、掴んで押したり引いたりの繰り返しで、体力が異常に消耗します。だから、経験上言わせて貰えるならば、女性、子供、一般の方に突き方、蹴り方、関節・・・を教えても、実際使える可能性は限りなくゼロに近いのです。大体、本気で喧嘩さえした事の無い人が、護身術を教えている・・・そんな人、何人も知っていますが・・・でも、私の尊敬する太氣拳のS先生は、地元で行政に頼まれて、護身術教室を開講した事があったそうですが、バラ手で目を狙って打ち、逃げる事だけ教えたそうですが、それ以上教える事が無いとおっしゃっておりました。
 そんな訳で、私は当日の教室で、突きや蹴り、関節等を、生徒達に教える気は毛頭無く、果たして、それで学校側の希望や期待に答えられるのかが不安だった訳です。私は、危険を脱出する為には、まず逃げること(これは警察署の防犯教室等でもよく聞くと思いますが・・・)が大事だとは思いますが、所詮、女性や子供は足も遅く、すぐに捕まってしまいます。ですから、逃げると言っても、最低限の条件は必要となります。一つは、極力落ち着いて逃げる方向や場所を見極める事・・・二つ目、大声を出して助けを呼ぶ事・・・そして三つ目は、万が一、捕まっても、振り解ける体力、逃げ切れるだけの体力が必要だと言う事です。それらを実践出来れば・・・しかし、みんな耳が聞こえない・・・伝わるだろうか・・・そんな気持ちでした。

 「黙想!」静寂な体育館中に響く私の号令で、まず空手の演武が始まった。正拳中段突きから廻し蹴りまで、みんな真剣に見てくれている。基本が終了し、心地よい汗が額を流れる。大きな拍手・・・大歓声。型をやった・・・またも、静寂に戻る。技の説明でミットを打ち、蹴る。一挙手一投足に驚嘆の声・・・。どうやら、空手に興味は持ってくれている様だ。経験者も何名かいるようだし・・・。
 続いて、生徒みんなの番・・・正座の仕方から説明し、黙想をし、ストレッチングを万遍なくこなし、いよいよ空手の基本に入る。正拳中段突き・・・動作はなんとなく覚えた・・・問題は気合・・・声が出るのか?多少の声は出るからと、先生に言われていたので「お腹の底から出すつもりで・・・」と説明し何度か練習した。そして、いよいよ「正拳中段突き、気合を入れて・・・一、二・・・」私の号令に合わせて、みんなの気合が「セイヤ、セイヤ・・・」ちゃんと出ているではないか・・・健常者より確実に声がでかい。感動した・・・嬉しかった。廻し蹴りも行った。途中から、今回の教室の機会を作ってくれた、私の弟子でもある加茂先生が、壇上にあがり号令をかけながら何十本も蹴った・・・息を切らしながら・・・。加茂先生も嬉しそうだった。蹴り終わって、腹式呼吸をやった。鼻から吸って、肺から腹の底にしっかり息を落とし、腹に溜まった息を口から吐く・・・。心なしか、生徒の顔が満足そうに見えた。

 最後に、私の講話をさせて頂きましたが、本来の意味合いとして、防犯教室と言う事から、“危険に遭遇した時の対処の仕方”として、「呼吸(腹に息を落とし落ち着く)・気合(大きな声を出す)・体力(日常より運動を行う)」の三点について体験して頂き、理解して貰えたかなと思います。体力の無い護身は意味を成さない・・・普段より、部活動等の運動によって基礎体力をつけ、それらを得る過程で「頑張る心・諦めない心」を養い、一般社会に出ても、その“心”を活かせる様、学生生活を送って欲しい旨を伝え、防犯教室を終了させて頂きました。最後に、生徒から、手話でお礼の言葉を頂いた時は、目頭が熱くなる思いでした。こんな機会を与えて頂いた加茂先生や教職員の皆様、心より感謝致します。本当に良かったです。みんな・・・ありがとう。



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