思考伝聞

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押忍

昇段審査会

 

2月22日、郡山カルチャーパーク体育館で門馬道場の昇級・昇段審査会を行った。


朝9時に開場し、観客を含めると500人はいたろうか。寒い体育館の中、準備体操終了後10時から基本稽古開始。約220名の受審者中、昇段審査に挑むのは参段2名、弐段4名、初段3名の合計9名。


参段挑戦2名のうち1人は、私の実弟でもあり門馬道場の師範代を務める門馬功。

師範代の空手歴は、中学生から、イヤ、彼が小学生の時から私の実験台として相手させていたのでかなり長い。ただ、途中進学や就職などで福島県を離れたため、空手からは全く遠ざかっていた時期もある。

やがて、福島県に戻って来て私の会社に入社してから暫くたった平成10年頃、また空手がやりたいと道場に入門してきた。

それから既に17年、職員を除けばおそらく稽古量は門馬道場随一。30代半ばまで県大会や全日本の組手無差別級にも出場していた師範代が、今は円熟期に差し掛かりどんな空手を見せてくれるか非常に楽しみだった。


参段挑戦のもう1人は、奥田師範の愛弟子の日下部達也。今回、弐段挑戦した成田武人も奥田師範の愛弟子である。

2人とも空手歴は少年部からだから30年以上。日下部君は、16年位前に弐段の昇段審査を受けており、私も当時二段で彼の連続組手の相手をした。

また、私が参段の昇段審査を千葉で受けた時、私の連続組手の相手をしてくれたのが日下部君であり成田君である。特に日下部君には終了間際、後ろ回し蹴りをこめかみに貰い、倒れそうになったのを覚えている。

とにかく、成田君は地味だが堅実な組手、日下部君は華麗なる組手、もちろん二人とも全日本にも出場していた強者である。


弐段挑戦の2人目は、門馬道場指導員の井上賢二。

彼との出会いは、私が25歳位の時に道場に入門して来た時である。しかしこの頃、 私も仕事で道場から離れざるを得ない時期に差し掛かっており、当時まだ10代だった彼は、引っ張ってくれる先生が居なかった事に加え、仕事の面や結婚などからやがて道場を離れることになる。

その後、彼は空手をやりたい気持ちは持ち続けていることから、極真の先生・先輩や、他派の先生・先輩にも紹介してあげたが結局入門までは至らなかった様である。平成9年、私も仕事が軌道に乗り空手に復帰し、再び道場を開設した際、井上賢二は私の元で空手がやりたいと再入門してきた。彼も県大会や全日本などに出場していたが、申込書を書く度にビビって私の所に相談しに来たものである。ここに来るまで何度となく叱咤激励してきた弟子である。


弐段挑戦の3人目は、池袋総本部で大山総裁の秘書兼通訳をしていた鈴木稔。

彼が総本部で初段を允許されてから実に30年ぶりの弐段挑戦である。彼は交通事故で右肩が人工関節になってしまい肩より上に手が上がらない。当然突きも思うように突けないだろうし、上段のガードも出来ない。下手したらまた手術、それでも彼は弐段に挑戦すると言った。一切言い訳せず粛々とその日を迎えた。

彼との出会いは私の一通のメールがきっかけである。年間300本も講演をこなす、超売れっ子カウンセラーの彼と会って話してすぐ意気投合した。私は何事も一所懸命の人が好きだ。だから彼も大好きである。彼と一緒に極真の道を歩ける事を誇りに思う。


弐段挑戦4人目は、石神井公園道場の鈴木龍之介。

俳優でもある彼は父親譲りのきりっとしたマスクでかなりカッコいい。見た目は、かなりやんちゃ坊主的な雰囲気があり、今時の若者に見えるが、私達目上の人に対してはかなり礼をわきまえて接してくれている。現在では極真の世界でもチャンピオンになったり、黒帯になると何を勘違いしてるのか、年上に対してもタメ語で話す輩が増えているらしいが、彼はそう言うことなく真っ直ぐそして謙虚さを持って、やがて有名な俳優に成長して欲しい。

彼も少年部から空手をやっているから空手歴は15年以上か。今は私の上段回し蹴りより高く蹴るのが目標らしいが、もう私より充分高い。


初段挑戦の1人目は石井新。

彼は空手を始め既に10年。小学生時代は数々の大会を制し、空手の天才の名を欲しいままにした。抜群のセンスで組手も型も何でも人より抜きん出ていた。しかし、そんな彼もやはり人の子、気持ちに波が多く中学生時代は稽古も殆ど来なくなった。それでも、たまに来ればやはり組手も型も非凡なものを見せていたが、空手もそれ程甘くない。大会に出ても本来勝てる筈の相手にも勝てなくなってしまい、中途半端な自分に苛立っているようにも見えた。

ところが、最近彼は復活した。稽古に来る回数が増えたとか大会に参加する回数が増えたとかそういう事ではない。今、彼は一所懸命頑張る事の大切さや尊さを自分自身で掴み取った様である。武人として生きる覚悟を持った面構えになってきた。今回の昇段審査は、天才石井新の復活の狼煙に成るか。


初段挑戦の2人目、3人目は鈴木統河と大住柊太の同級生コンビ。

統河は空手を始めて9年、柊太は10年。2人は家も近くで、入門時よりずっと一緒に稽古してきた。当然、学校も一緒で仲が良い2人だけどキャラが全く違う。

統河は、明るい性格ではあるが、あまり感情を表に出さず、自分の事や他人の事、悔しい事も悲しい事も、全て心の中にしまっておきながらひたすらコツコツと努力する真面目優等生キャラ。

柊太は、一見物事を深く考えて無いように常に明るく、でも実は心の中に悲喜交々、自分の感情や他人への配慮が交錯し、方向性が定まらなくても何かしなくちゃともがく、行動がわかりやすい熱血キャラ。

空手に関して言えば、中学生までの印象は型の統河に組手の柊太と、まるで2人の性格を現している様であったが、間もなく高校生になる今、最早統河も柊太も、組手や型と言う事ではなく、空手全般に関して模範と成っている2人である事は間違いない。

とにかく、2人とも稽古も真面目だし、常にキチッと空手着をカッコよく着こなし、正に道場生の鏡の様な存在である。こんな2人だから周りの期待も大きかった。本人もそれをわきまえているが故に、部活や稽古を頑張りすぎて苦しんだ時期もあったろう。しかし、それでも彼らは空手から一時も離れなかった。彼等を理解する親の頑張りもとてつもなく大きいし、彼等を取り巻く様々な方達のお陰だろう。

最も、そんな事は言わなくてもわかっている彼等が何より頼もしい。間違いなく、門馬道場の将来を背負っていく黒帯になるだろう。


結果、基本から始まり移動、型、逆立ち歩行、体力、柔軟性、座高蹴り、帯飛び、そしてラストの涙の連続組手まで8時間にも及ぶ審査会も滞りなく終了した。10人組手の石井新・鈴木統河・大住柊太は子供たちや親御さんら約500人の声援を受け、最後まで休むこともなく動き続け見事に完遂。20人組手の鈴木稔・成田武人・井上賢二・鈴木龍之介もボロボロになりながら必死の形相でやはり大声援の中完遂。 そして、30人組手に挑んだ門馬功・日下部達也は人間サンドバッグと化し、フラフラになりながらも500人の大声援に包まれ涙の完遂。会場のみんなも泣いていた。


昇段の合否は、 奥田師範や鈴木先生それぞれの師範・先生が判断するとして、私は門馬道場の6人のみの合否を判断する。

正直、型を間違えたり補強が足りなかったり、逆立ち歩行が出来なかったり、座高蹴りが低かったり・・・足りない部分があった人もいたが、 『一意専心』、 そこに至るまでの努力や、色々なものを犠牲にしながらも一つのことにかける想い、その道のりが大切であり、本当の『武』の世界に入る『門』をくぐれる『覚悟』を有しているか、そこのところを最終的に判断して合否を決めたいと思う。


何も『武』の世界に入るとは、空手以外やってはいけないと言うことではなく、日常の生活全てが『武』を意識すると言うことである。自分自身の立ち居振る舞い、人との接し方はもちろん、自分が生まれてきた使命や責任、そういった事を念頭に置いて自己を地道に磨き上げ、大切なものを守る『強さ』を身に付ける事である。


小野寺師範が生前昇段審査の度に仰っていた、『黒帯自体に価値が有るわけではない。黒帯を締める人間によってその価値は決まる。』の言葉通り、生涯武道を貫く気概を持って、黒帯、または段位に見合った人間性を、世のため人のために確立して欲しい。


ちなみに・・・小言になるが・・・昇段審査の時、色々気を配り一所懸命動く色帯のお手伝いの道場生に感心させられた反面、お客様の様に腕組みをして動かない黒帯の先生方がどうにも気になった。連続組手の最中、師範代が水分補給に入ったときも、黒帯の先生方がサポートに駆け寄らなかった事に一抹の不安を覚えたのは私だけか・・・思わず私は大声で叱った。

あまり経験がないからわからなかったと言ってしまえばそれまでだが、黒帯を締めている以上、自ら率先し人を統率する力や思いやる心を持ち、威張らず謙虚に優しく出来る、そんな存在になって欲しいと思う。黒帯が居心地の良い道場はやがて衰退する。黒帯はずっと追いかけられる立場でなければならない。


最後に、今回の昇段審査のために寒い福島まで来てくれた『大会協力委員会』の盟友、奥田勝巳師範、橋本英明先生、鈴木義浩先生、本当に有り難う御座いました。

皆さんの前で審査を受けた220名全員、特に昇段受審者は、大変嬉しく誇りに思っていることと思います。気の合う者同志、また一緒に楽しく稽古しましょう。





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