思考伝聞

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押忍

あきらめない心・・・

   全福島空手道選手権も大盛況で幕を閉じ、つづく埼玉県大会も終了した。楽しみだった沖縄合宿も終わってしまった。今年に残るメイン行事は「技術交流会」「昇級審査会」と幾つかの大会くらいか・・・。

 11月14日は新格闘術主催の「福島県大会」があるが・・・我が門馬道場からは150名近い選手が参戦する。会場の会津若松市迄は高速で一時間程度と近いが・・・しかし、いくら近いと言っても他流派主催の大会にこれだけ出られても、主催者側が迷惑するのではと思い、五十嵐先生に電話で確認したところ「子供達が出たいと言うなら全員出して下さい。有難い話です。何とかしますから。」とのお言葉。初めて試合する子が沢山いるが、挑戦と経験を兼ねて出場させて頂く事にした。
 11月27日は釘嶋道場主催の「神奈川県大会」。この大会は遠方のため、真夜中に出発して深夜に帰ってくると言うハードスケジュールとなる。なので、あまり無理しなくても・・・という思いから積極的には呼びかけなかったのだが・・・にも係わらず、60名を越す生徒が参戦。いつの間にかみんなの意識が上がってきた証拠であり嬉しい結果ではある。

 しかし・・・
 先日の稽古の時、私が「今度の会津か神奈川の大会に出る人、手をあげて」と言ったら、稽古にも積極的で大会も割合頑張ってる筈の子が手を挙げなかったので、そばに寄ってみんなに聞こえない様に「どうした○○、お前出ないの?」と聞いてみた。そしたら・・・その子の返事を聞いて愕然とした。「家の人から、どうせ試合に出ても勝てないんだから、お金がもったいないと言われたんです。」と・・・。私は開いた口がふさがらなかったが、気を取り直し「○○、それはなお家の人が間違ってると思うぞ。何でもそうだがやってみなくちゃわからない。最初からあきらめてどうする?負けても次は勝とうと努力する。でもまた負けるかもしれない。そしたらもっと努力する。その繰り返しが大事なのは道場にずっと通ってるから○○ならわかるよな?お家の人に教えてあげな。」と、言ってあげた。子供に対し、親の批判をするようで多少心苦しかったが、私は心から切ない想いになったため、稽古後の訓話でもう一度みんなに話した。

 「例えば小学5年生の□□が、今まで試験も運動会も大会も、一度も負けた事がなく常に勝ち続けていたら、こんなに優しい子になったと思うか?こんなに頑張れる子になったと思うか?□□は負けても負けてもあきらめないで頑張ったから今は優しい良い子なんだよな。負けて学んで人は大きくなるんだ。負けるから恥ずかしいとか、負けるからやらないとか、最初からあきらめないで挑戦しような。そうやってお前たちは成長していくんだぞ。」と、言ったらみんな真剣な目をして肯いていた。子供達はわかっているのに・・・大人がチャンスを潰している。食べても食べてもどうせまた腹が減るなら食べなくていいの・・・頑張っても頑張ってもどうせ最後は死ぬなら生きなくていいの・・・。我が子がそんな冷めた人生を歩むのは親として望む筈もないと思うのだが・・・。

 一つの大きな山を登る時、淡々と頂上目指して登れる人もいる。でも殆どの人はそれだけでは飽きるから、途中競争してみたり、違う道を探してみたり、休んだり・・・色んな遊びや経験を交えながら登ろうとする。ただ、登り方はどうあれ、あきらめないで登り続ければいつかは頂上から素晴らしい景色が見れる。あきらめて引き返した人はきっと後悔するだろう。そしてその反省を糧にいつかまた挑戦出来るかもしれない。でも・・・最初から無理だとあきらめて登ろうとしない人は、感動も反省もなく成長もない、つまりは人として何の魅力もない大人になるだけだと思うのだが・・・如何だろうか。



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